大学院体験記<帝塚山大学大学院>

帝塚山大学大学院 心理科学研究科心理科学専攻臨床心理学専修

Aさん

 帝塚山大学大学院は近鉄学園前駅から徒歩1分です。学園前駅は普通電車から特急電車まで全て止まりアクセスの良さは抜群です。大学院生には院生室が用意され、個人のデスクが割り当てられ、パソコンも1人1台使えます。特徴の一つとして挙げられるのは、教員と学生の距離の近さです。院生室の近くに教員の研究室があり、自分が担当するケース、修士論文の進め方について質問がしやすい環境があります。自分が所属していないゼミの教員、社会心理の教員にも質問ができます。また、22時になると学内が閉鎖されます。
 授業は、カウンセリングや心理療法、心理テストが必修科目としてあります。カウンセリングの授業では、マイクロカウンセリングの基礎を学びます。この授業は修士1回生の間、ロールプレイをしながら、実際のカウンセリング場面を想定し進められます。心理療法では、内観療法専門の教員がおり、内観研修所の見学を含め、記録内観を付け体験しながら学習することができます。また、修士1回生のときにパラオに行き、イルカ介在活動を学ぶことができる点が特色として挙げられます。心理テストは、YG、MAS、STAIなどの質問紙検査法を自分で回答し、解釈します。ウェクスラー式知能検査は、院生同士で検査を取り合って勉強し、カウンセリングルームに来談したクライエントにも実施します。新版K 式発達検査も学習します。ロールシャッハテストは、講義で解釈などを教わりますが、実践で使用できるようになるためには、自分自身でも研鑽を積む必要があります。DAPやバウムテストなどの描画法は、自分で描き、院生全員で解釈を出し合って勉強します。
 次に、大学所属のカウンセリングルームでの実習についてです。陪席(大学教員がカウンセラーとして面接している部屋に同席すること)は、修士1回生の5月頃から入ることができます。陪席は2~10回ほど入り、その後陪席したケースを担当します。自分でケースを持つとスーパーヴィジョン(担当しているケースを熟練のカウンセラーに指導してもらうこと)を受けます。大学院から紹介された先生にスーパーヴィジョンを受けますが、自分で探してきても構いません。スーパーヴィジョンの費用は年間15万円収めている実習費から10万円程度使用できますが、10万円を超えると実費でスーパーヴィジョンを受けることになります。院生の中には週に5ケースほど担当する人もいます。
修士の2年生になると、児童相談所、児童養護施設、心療内科、精神科病院、中学校などの外部実習施設の中から90時間以上実習に行きます。中には90時間に満たない条件の実習先もあるので、2つ以上行く場合もあります。実習先で受け入れてもらえる実習人数が異なっているため、自分の希望する実習先に行けない場合もあります。他に、学内の活動として、発達に問題を抱える子どもたちとグループワークを行っています。また、大人の発達障害者を対象としたグループワークもあり、SSTを中心とした活動を行っています。
 以上のように、帝塚山大学大学院は、臨床活動の実践の場は整っていると思います。